IFFT/インテリア ライフスタイル リビング@東京ビッグサイト

東京ビッグサイト 西ホール1・2ホール+アトリウムで開催中の「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」へ。
「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」は、東京から世界へ向けて「ライフスタイルを提案する」インテリア・デザイン市場のための国際見本市(主催:一般社団法人日本家具産業振興会、メサゴ・メッセフランクフルト株式会社)。19の国と地域から432社(うち国内378社)が出展。B to Bの商談見本市につき、一般の入場は不可となっている。場内はプレス以外は撮影も不可。
注記.本稿に掲出している会場写真は、主催者側に事前申請したうえで、各出展者の許諾を得て撮影したものに限る

毎回話題となるアトリウム特別企画。昨年に続いてのテーマは「THE HOTTEL」 、サブタイトルは「旅館とおもてなしJAPAN」。日本の多くの旅館にみられる「おもてなしの心」にフィーチャー(ディレクター:株式会社t.c.k.w 代表取締役 立川裕大氏)。ブースの数は30。
11月25日,26日,27日の会期中、アトリウム裏手の「LIFE STYLE SALON 2015」では、橋本夕紀夫氏や「THE HOTEL」ディレクターの立川氏も登壇するトークショーも開催される。

アトリウム会場を見学中、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏と遭遇。来年の「Interior Lifestyle Tokyo」アトリウム企画のコラボレーションディレクターを同事務所が務めるとのこと(Interior Lifestyle Tokyo facebook 6月22日掲出情報→主催者リリース.PDF)。
アトリウムA-14 市川織布工場
愛知県蒲郡市で創業50年の織布メーカー。ブースの平台に置かれているのは柔らかいガーゼケット、その上に下げられたストライプの商品は「イチオリシェード」。ベーシックと遮光の2タイプあり。ケットとは異なる織り方なので硬質。
壁側に並んだ木枠に張られたものは参考商品。室内の間仕切りとして使えそう。
これまでホテル関連の見本市には出展しているが、インテリア系は今回が初めてとのこと。

A-20 YAMAGIWA
「影と光のデザイン」をテーマに、インテリアスタイリストの中林友紀氏がスタイリング。上の画、右端から、ブラックバージョンの〈TALIESIN BLACK EDITION〉、伊東豊雄〈MAYUHANA MA BLACK〉、driade〈NEMO〉。
上の画の〈MAYUHANA MA BLACK〉はやや赤みがかってみえるが、本来の"真っ黒"さは、下の画が正しい。
西1ホール1-001 特別企画展「黒の世界 by 芦沢啓治 with CONFORT」
漆、モルタル、大理石、いぶし瓦、焼き杉、和紙、ステンレスなど、各種マテリアルにみられる"黒"に特化した展示。

1-006光洋製瓦のいぶし瓦による壁材、1-007ユタカ建商 木楽、1-021平田タイル、1-036モメンタムファクトリー・Oriiなど出展23社がまとめられた[CREATIVE RESOURCE] 会場を見て後、以下、西1ホールの端から、グルリと"コの字"に会場を駆け足で巡る。
西1ホール1-155 石巻工房
天板がグレーのテーブルと、天板が黒いシェルフは、芦沢啓治氏デザインによる新作。脚はスチール、床との設置面に木材を補強して面積を広くしている。
展示されているそのほかの新作家具誕生の経緯は、別稿:インターオフィスの2015新作発表イベント「inter.office EVENT 2015 BACK TO THE OFFICE」の備忘録にまとめている。
上の画右:ニ俣公一〈ラウンジチェア〉+オットマン付き、その左:トラフ/鈴野氏デザインの〈リトル ピクニックテーブル〉。

西1ホール1-184 センプレデザイン
MOSS、SAND、LEAFなど、センプレがコーディネートした7つのテーマカラーに基づいた展示。上の画・手前の淡いグレーとピンク色のチェアは、センプレオリジナルのカフェチェア・ベントの無塗装ビーチ材を、天然素材90%+水にもこだわってつくられた日本製の木材用塗料「mizu color」で塗装したもの(センプレのT社長自ら刷毛を握ってDIYを実践)

西ホール1-187 カリモク家具
代官山T-SITE ガーデンギャラリーで先月開催された「KARIMOKU NEW STANDARD Exhibition 2015 Tokyo」で発表された新作の数々。
加えて、ブースの反対側では、新ブランド「KITONO」の披露も(11.24発表同社リリース|敷かれているラグを除く)。ネーミングは"KITONO(木との+"暮らし")という意。購入者が自分で組み立てる、同社の既製品にはなかった家具シリーズ。上の画のソファとテーブルのほか、チェア、ベンチなど。マルチボードは好みの把手や扉にカスタマイズも可能。

さて、今回の「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」は、北海道旭川、山形、岐阜県飛騨、広島県府中、佐賀県大川などの国内主要産地のメーカー、各団体が多数出展し、秋田杉など国内材を使った家具も見られるのが大きな特色。西1・2ホールにまたがり、全体の1/3強のスペースを占める。
西ホール1-190マルケイ木工
同社が手掛けるブランド[M-CRAFT]から新作「dual(デュアル)」を発表。デザイナーは松岡智之氏。

西ホール1-191若葉家具
小泉誠氏がデザインした仏壇「Siu(思浮)」は、2つの宗派、2つの家の先祖が祀れるようにデザインされた、現代のライフスタイルにふさわしいかたちをしている。
このほか、小泉氏、関 洋氏ら数名のデザイナーが名を連ね、府中と大川の家具メーカー数社が共同で立ち上げたエコ・デザイン・ファニチャー・プロジェクト「kitoki」を出展。

府中家具ではほかにA-193 松創が、倉本仁氏らと立ち上げたブランド「MEETEE」を発表(昨秋の「Any Tokyo 2014」で見たときのブランド名は「MATUSO T」だったが、改名したらしい)
西1ホール1-204 大川市インテリア課のカウンター前板部分の装飾。1-222に出展中の生松工芸による見事な組子細工。

西2ホール2-173と2-183 旭川家具工業協同組合
今年6月に旭川で開催された「ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2015」のメイン会場にて、藤本壮介氏がスペシャルインスタレーションを担当した「ASAHIKAWA Forest」が再現された。
短冊が連なった木の下端は床面に設置しておらず、ゆらゆらと揺れている。

西2ホール2-162天童木工のブースでは、新作2点:安積伸氏デザイン〈Rall〉と、小林幹也氏デザイン〈DAN〉の発表のほか、アクシスギャラリーでの「愛のコンティニュアスデザイン」展で発表された〈ラケットチェア〉の展示も。
西2ホール2-128 日本の木 ニッポンの家具
主催は一般社団法人日本家具産業振興会、林野庁の補助事業。国内の広葉・針葉樹をつかったライフスタイル提案型展示。天童木工、飛騨産業、ワイスワイス、オークヴィレッジなど協力企業のほか、27組41名のデザイナーが作品を発表。会期中は各種セミナーやプレゼンも。
この遠くからでも一目をひく空間インスタレーションは、秋田県産杉材突き板によるもの(資材提供:丸松銘木店、デザイン:(株)ATMOSMITH 時園 勇)

西2ホール2-139 溝川
京都の家具・建具メーカーによる、京都府産の杉・桧を使ったブランド「KIKOE」。

毎年注目の若手デザイナーの作品が見られる[TALENTS]のエリアでは、T-03 MUTEが、会期初日に出展者らによって選出されるYOUNG DESINER AWARDを受賞。出展作品は〈KIOSK〉と〈TARTAN〉、現時点で共に参考作品。
西2ホール[NEXT]N-26 24d-studio
神戸を拠点に活動すているデザインスタジオ。雲からインスピレーションが沸いたという照明器具のシリーズ〈Airy〉の素材は強化和紙

西2ホール[NEXT]N-29 CONSENTABLE
W1600×D900の桧のマルチテーブル〈CONSENTABLE/MT〉に格納された6つの抽斗(ひきだし)は、ランチョンマット、ノートパソコン、外付けHDなど外部端末、A4サイズ書類などが収まるサイズ。それぞれ電気配線も可能。テーブル中央部にはコード配線用の穴もアリ、使わないときは付属品を使って花瓶にも。
デスクではなく食卓でパソコン操作やノマド的に仕事をする人が増えている、現代のライフスタイルにあわせたデザイン。ブランド第一弾のプロダクトであるワークテーブル〈CONSENTABLE/WT〉の進化形。

西2ホール2-032 地域材オープンソースファーニチャープロジェクト
著作権を開放するオープンソースの理念に基づく、日本の森林保全と育成を促すことを目的とするプロジェクト。製作図面のダウンロードやカスタムは、国産木材を利用する場合に限る。デザイナーはNOSIGNERさん。計15アイテムと、昨年のIFFT出展よりもアイテムが拡充。

西2ホール2-047 KANAYA
高岡銅器の金属鋳造技術によるブランド(参画している複数のデザイナーの一人、小林幹也氏が昨年5月にOZONEで作品展を開催した際、コートスタンド〈MK+01〉やタオルスタンド〈MK+03〉(上の画奥)などを見たことがある)。上の画手前:新作のサイドテーブル(デザイン:紺野弘通氏)。800幅というサイズでアルミ鋳物が可能という。

会場の様子や付随情報は「Blend*Board」〜【家具・インテリア 最新画像】のまとめが詳しく、わかりやすい。

IFFT/インテリア ライフスタイル リビング
www.ifft-interiorlifestyleliving.com/





+飲食のメモ。
場内のカフェにて。池袋に1号店がある「寝かせ玄米おむすび いろは」が特別出店(テーブルとチェア提供:石巻工房
左の画は「おむすび弁当」にホットコーヒーとスコーンという取り合わせの画。宣伝文句通りの「もっちもち」玄米、美味しゅうございました。ごちそうさまでした。

弁当に付いてきた割箸は岡山県西粟倉村の杉・ひのきの間伐材を使って、漂白剤や防カビ剤など無しで精製されたもの(割箸袋の裏に記載あり)。こういう細かなところまで行き届いているとは、なんと素晴らしき哉。