「空気をデザインする ーみんなの森 ぎふメディアコスモスー」展@LIXILギャラリー2

会期は今月24日(火)まで。伊東豊雄建築設計事務所の《みんなの森 ぎふメディアコスモス》担当スタッフによるギャラリートークも本日15時が最終回。
みんなの森 ぎふメディアコスモス》は、岐阜市の岐阜大学医学部等跡地に昨年7月にオープンした公共施設。図書館、市民活動交流センター、ギャラリー、ホールの配置がわかる縮尺1/100の模型、事業構想が動き出してから今日に至る流れ、周辺の様子などがわかるパネル、特徴的なシェル屋根の施工風景を撮影した動画資料が展示されている。
市の事業計画の推移は施設の公式サイト「開館までの歩み」が詳しい。公募型プロポーザルで設計者を選定したのが2011年2月。ファイナリストは槇文彦氏、藤本壮介氏、伊東豊雄氏を設計者とする3組だった。
2階の全フロアが図書館で、野球のグラウンドほどの広さがある。上の画・右下の円形テラスからは、織田信長の居城があった金華山を一望。施設の運営プログラムには2000年にオープンした《せんだいメディアテーク》で培われたノウハウが反映されており、家具やファブリックなどのインテリアは《多摩美術大学付属図書館》でも協働した 藤江和子氏と安東陽子氏、サイン計画は原研哉氏、照明計画は面出薫氏の各事務所が担当。
なかでも特徴的なのが、図書館の天井から吊り下げられた「グローブ」と呼ばれるオブジェと、その上のシェル屋根の構造および形状。伊東事務所はランドスケープの提案も設計条件の一つと読み取り、地元産のヒノキの集成材を3方向、21層、15層、9層と3段階に分けて積層して、最終の公開審査会でこのシェル屋根を提案した(構造設計はArup)。材の厚は2cm。会場にサンプルとして置かれた長さ120cm程度ではふつうにまっすぐな板(下の画の台の手前)だが、12mものの長さにもなると、しなって曲面が生まれる。
太陽光や豊富な地下水を巧みに利用した設備プランにより、「消費エネルギーを従来(:1997年京都議定書でうたわれた数値)1/2に削減する」という公約を遵守。グローブから取り込まれる外部の光をセンサーがキャッチして、照明の明るさを自動で変えることもできる。なお、本会場の照明は、館内の設定と同じ暖かみのある3,000ケルビンに設定されている。写真では黄色が強く出るのでわかりやすい。
ギャラリートークでは、この大小11あるグローブの掃除はどうやって行うのか、広いワンフロアの換気はどうなっているのかなどの質問が飛んだ。
「クリエイションの未来展」第7回 伊東豊雄展「空気をデザインする ーみんなの森 ぎふメディアコスモスー」は5月24日(火)まで。水曜休館(最終週の日曜・22日も休館なので注意)。開館は10時〜18時、入場無料。
次回は隈研吾氏監修の企画展。T_ADSの活動を紹介する「Advanced Design Studies, The University of Tokyo. 新しい建築教育の現場」が6月12日(日)より始まる。

LIXILギャラリー2
http://www1.lixil.co.jp/gallery/contemporary/




+飲食のメモ。
旧《数寄屋橋阪急》の跡地に3月31日にオープンした《東急プラザ銀座》のB2Fに、THE CITY BAKERYが入ったのは嬉しい限り。購入したパンを持ち込めるカフェも併設。東京メトロ銀座駅が目の前と、広尾店や品川店に比べて抜群にアクセスが良いのも有難い。

左の画はブラックペッパーが効いたチーズのホットサンドとクラムチャウダーのセット(税込¥972ナリ)
美味しゅうございました。ごちそうさまでした。

THE CITY BAKERY(ザ シティ ベーカリー)
http://www.thecitybakery.jp