「豊島区新庁舎」一般見学会

5月7日に開庁を控えた《豊島区新庁舎》の見学会が期間限定で始まった。

建物名称は「としまエコミューゼタウン」。旧日出小学校および南池袋児童館ほかの跡地である、南池袋の約5,319平米の敷地に、地下3階+地上49階の規模で竣工。
東池袋からG.W.に移転予定の庁舎機能は、1階の一部と3-9階に入る。新庁舎の南側屋上には「豊島の森」が造成され、建物全体で"樹木のような環境庁舎"を目指す。

2010年11月に豊島区が公示した新庁舎整備推進計画PDF 115P)、東京建物ほか発信元のリリースPDF 7P, 2013.3.19)によると、設計・監理は日本設計(構造設計協力:大成建設)、外観および一部共用部のデザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所。施工は大成建設

「としまエコミューゼタウン」は、タワーマンションと区庁舎が一体となった日本初の建物である。中央の高層部分(11-49階)は高級レジデンス「Brillia Tower 池袋(ブリリアタワー)」。
西側からの新庁舎およびレジデンスの見上げ。最髙高さが約189mという、高層棟の迫力が凄い。
透明ガラス、ルーバー、ソーラーガラスおよび太陽光パネル、緑化パネルの5種類から成り、樹木の葉(リーフ)を散らしたような「エコヴェール」が市庁舎の斜めの壁面を覆う。
建物名称のエコミューゼとは、「エコロジー(生態学)」と「ミューゼ(博物館)」を合わせた造語。東京工業大学大岡山キャンパスのランドスケープ計画をはじめ数々の実績をもつランドスケープ・プラスも関与している環境対策では、後述の緑化計画をはじめ最新技術を各所に導入し、CO2排出量を従来の建物と比べて30%以上抑制している。
加えて、"災害に強い新庁舎"をうたい、庁舎屋上=10階部分を中間免震階とするなど、最新の免震・耐震構造とシステムを誇る(参考:豊島区公式サイト〜2015.2.15更新の掲出情報
上の画の撮影は2013年11月、北側からの見上げ。
高層のレジデンスは建設途上。この年の春にモデルルームが公開され、工事が半分に達していない秋の時点で、全432戸完売御礼の札が工事看板に貼られていた。
首都高5号線を背に、北東側からの低層棟眺め。
四方を道路に囲まれ、4mセットバックして緑化した歩道を確保。市庁舎の入口も四方それぞれに設けられている。
北東側エントランスの見上げ。
エレベータと階段で東京メトロ有楽町線東池袋駅に接続した一角。
1階フロアマップ。建物は北側(画では上)がやや狭い台形をしている。マップ右上の青いマーカーが現在位置。
北東側エントランスから入り、総合案内所があるフロア中央へと向かう通路。右手のエスカレーターは、3階区庁舎フロアに直結している。
各所で微妙に形状が異なるが、木製ルーバーの壁面仕上げは館内に共通する仕様。
駐車場、地下鉄駅、館内施設を案内するフロアサイン。
東側エントランス付近のフロアサイン。この場に立って、フロア中央を眺めたのが下の画。正面にデジタル案内板、受付要員が常駐する総合案内所、吹き抜け大空間のアトリウムがある。
地上4カ所、どのエントランスを利用しても、このアトリウムに繋がる。
採光装置を併設したトップライトから、明るい外光が差し込むアトリウム。「エコヴォイド」と命名され、3-9階の庁舎内部の自然換気を促し、環境負荷を軽減する狙いもある。
トップライト真下からの見上げ。空間を囲む木製ルーバーのラインが美しい。
エレベーターシャフトの見上げ。右手奥は4階まで利用できるエスカレーター。
モニターで改めて、新庁舎館内レイアウトを確認。1階は区民に開放された交流ゾーン。3-4階が庁舎窓口サービスゾーン、7-8階が事務室、10階に区議会場、屋上が「豊島の森」。
交流ゾーンの一部。1階「としまセンタースクエア」。450平米、椅子席は300脚を用意。多目的スペースとして、区の主催事業など各種イベントに使われるほか、災害発生時の対応も考慮されている。
同スクエア、天井見上げ。
上方はパターン張り、その下にも木材が多用された内装。壁に一点鎖線で四角形が描かれているのは、観音開き扉があることを示す。上の画はドアが閉まった状態。下の画は外の通路に開かれた状態。
見学会にあわせて限定祝酒セットやらが1階館内通路で販売されていたこの日は開いていたが、ドアに書かれているのは「締切」の2文字。
木のルーバーによるデザインは各所に。上の画は1階総合案内所のカウンター。こちらで受付を済ませた見学者には、総カラー18ページのパンフレット、10階「豊島の森」の植栽分布を記したフォレストガイド、ボールペンが配布される。
店舗とクリニックが入る2階をはじめ新庁舎の一部は未だ工事中。屋上を含めた5フロアの一部が公開された。推奨コースに倣い、エレベーターで10階の屋上テラス「豊島の森」へ。
庁舎専用EVは計7基。吹き抜け側のEVは、ボックスの一部が見晴らしの良いガラス仕様となっている。
3階から、エレベーターシャフトの眺め。
上の画は、見学途中で乗ったEVの内部。ダンボールによる養生がハンパなくカッコ良い。ごくごく一般的集合住宅などで見かける引越業者の仮養生とのレベル差を感じる。
上の画は養生していないEVボックスの壁、スイッチパネル。
EVのガラス越し、8階付近から「エコヴォイド」トップライトの見上げ。緑化のグリーンが垂れ下がっているのが見える。
10階=新庁舎屋上に到着。正面が南で、新宿方面。
10階EV乗り場の両側は展示スペースとなっている。3階にも同様の格子の棚(隈研吾氏デザインによる千鳥格子と思われる)があり、区に寄贈された梟・みみずくコレクションを収蔵。10階の什器は空と緑を背景に森の中のフクロウをイメージしたものらしい(何故に豊島区でフクロウか?と疑問に思う人は、池袋駅の待ち合わせのメッカを利用してみよう)
千鳥格子の向こうに、アトリウム内に垂れ下がるグリーンが視認できた。葉の形状からポトスと思われる。
今後は小中学生の環境教育プログラムにも利用される「豊島の森」では、かつて豊島区に存在した自然環境を人工的に再現している。東西2-3カ所に設けられた"水源"から"小川"のせせらぎをつくり出し、池でヤゴやメダカなどを育てる予定。低木も四季それぞれの景観が楽しめる27種が植栽されている。さすがにサクラは無いが、これからヤマツツジ、ヤマブキ、ヤマボウシなどが花を咲かせるだろう。
ウッドデッキに設けられた石のベンチから、レジデンス棟(11-49階)南側の見上げ。庁舎とほぼ同様の壁面仕様だが、緑化パネルだけが無い。
この日は風が強かったが、見晴らしは抜群。東南のデッキからはビルとビルの間に富士山も一望できた。
建物名称である「エコミューゼタウン」のコンセプトの1つを構成する空間として、屋上同様に緑化された「グリーンテラス」が、庁舎8階、6階、4階の南側に設けられている。3フロアは外階段で繋がり、回遊できるようになっている(見学時は8階のみ公開、上の画)
8-9階は区議会ゾーン。上の画は議場内、一段高い議長席に座っての正面眺め。記念撮影する見学者多し。
同じく、議長席から左側の眺め。バリアフリーの議場は、区議会が開催されない時に限り、区民が参加するイベントや国際会議などで利用できる。
議場から、一般傍聴席と前壁の見上げ。ルーバーを切り欠きして、モニターなどが埋設されている。
議場天井見上げ。中心に向かってルーバーに段階的に僅かな傾斜がつけられ、カーブを描いているようにみえる。

この後、EVで5階へ。災害対策ゾーンと位置づけされたフロアで、南側に区長室がある。公開対象だったが、区長応接室に納品済みのローシェルフ以外は何もなく、がらんどうの状態。眺望のみ味わえた。
右側が区長執務室、左が庁議室。区長室エリアの廊下の片側の壁が黒いのは、寄贈された絵画などを掛けた際の見栄えを考慮したもの。布クロスと天井との境にピクチャーレール、ライティング用照明も個別に用意された仕様は、下の画・中央部の廊下でも同様。
「としまエコミューゼタウン」のもうひとつの側面として、新庁舎は"まるごとミュージアム"を掲げている。前述の「ふくろうコレクション」のほか、3-5、8階の廊下の一部壁面を展示スペースとして空け、"回廊美術館"とする予定。オープン記念は6月から始まる「アートオリンピア2015」。
3階庁舎窓口ゾーン。
上の画の右手、吹き抜けアトリウム側に「ふくろうコレクション」が並ぶ(自宅にあるのと同じフクロウのぬいぐるみまであった)
デジタルサイネージなど最新のITシステムを導入し、「345日開かれた庁舎」をうたう新庁舎。個人的に気になるのは、区役所食堂の有無と店舗(=飲食店)について。

これでほぼ見学終了。新庁舎見学会は今週末27日(金)までは10-12時、28日(土)は10-16時、29日(日)は10-15時に開催される。事前予約は不要で、区民でなくとも自由に参加できる。Villeroy&Bochの洗面ボウルが入った1階のトイレも使用可。
アトリウムを囲むルーバーのアップを3枚ほど。
奥行きが3タイプあるルーバーを、リズムをつけてパターン配置。照明や外光の照射角度により、微妙なグラデーションが生まれる。
ルーバーの軸として金属が入り、両側から木でサンドして、横桟に取り付けているようだ。

ウッドによる表層デザインは館内のあちらこちらで散見したが、地下鉄からのアプローチでも使われていた。
地下2階ロビー。
同じく、地下2階ロビー。地下鉄に直結した通路出入口付近からの眺め。右奥は地下1階:59台分の駐車場エリアと、1階に接続したエスカレーター。さらに奥には住宅棟「Brillia Tower 池袋」のエントランスがある。
「Brillia Tower Ikebukuro」のサイン。レジデンス共有部のデザイン監修も隈研吾氏によるもの。
地下鉄有楽町線東池袋駅に直結した地下専用通路。
地下2階からはEVとエスカレーターによるアプローチのほか、専用階段もあり。
階段踊り場の階数表示サイン。壁の仕上げは黒を貴重としたモザイクタイル。
車寄せがある、地上西側の庁舎エントランス付近。駐輪場は1階に200台分用意されている(見学会開催時はクローズ、駐車場も同じく)
レジデンス住民用専用の駐輪スペースは別に確保されている。電子キーで出入りするようだ。その専用扉のサイン。
新市庁舎北西側からの新庁舎の眺め。

以上、新庁舎の記述、および地域の歴史・民俗に関する解説は、豊島区公式としまななまるチャンネルが公開しているYoutube動画「新庁舎最新レポート 豊島区の未来を見つめて」にもまとめられている(再生12分57秒)




+飲食のメモ。
トップに掲出した外観画像を撮った、南西側の角地にある洋食レストラン「UCHOUTEN」で昼休憩。がっつりボリューミーなこちらの店には腹ペコで行くべし。
ハンバーグ、メンチカツの単品または組み合わせ+ライスとみそ汁が付くランチ。10種類ほどのメニューから「黒毛和牛のハンバーグとシーフードクリームコロッケ」をいただく(消費税込み¥1,380、メニューによって価格は変動:¥920-¥13,80)
付け合わせのポテト、マカロニサラダ、タルタルソース、デミグラソースまで、どれもこれもとっても美味しゅうございました。ごちそうさまでした。