「建築模型とその提案書展」@ 絵画館前 TDW2014

今年も神宮外苑絵画館前で始まった、秋の恒例イベント「TOKYO DESIGNERS WEEK / 東京デザイナーズウィーク 2014(以下TDW)」の初日。多数用紙されたコンテンツのうち、Creative Life展会場で最大の展示スペースを割いている「建築模型とその提案書展」が盛況。
参加建築家:伊東豊雄、隈研吾(両氏は本展実行委員)
石上純也、大西麻貴+百田有希(o+h)、小嶋一浩+赤松佳珠子(シーラカンス アンド アソシエイツ)、妹島和世、谷尻誠、名和晃平(SANDWICH)、原田真宏+原田麻魚(MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)、藤本壮介、藤森照信、平田晃久、山本理顕
会場構成:長谷川喜美(VELVETA DESIGN)

会場には、進行中のプロジェクトを含む建築模型が並ぶ(後述・名和晃平出展作品を除く。以下・敬称略)

山本理顕「ザ・サークル_チューリッヒ国際空港」

隈 研吾「中国美術学院博物館(Museum at The China Academy of Art)

小嶋一浩+赤松佳珠子(CAt/シーラカンス アンド アソシエイツ)「木島平ヴィレッジセンター」

藤森照信「ワッフルハウス」「空飛ぶ住宅」「低過庵」

本展のビジュアルにみられる、13組の建築家諸氏が着用した衣装「コンクリートの服」も展示されていた。
衣装デザイン:江幡晃四郎
ヘア・メイク:carrie HM
写真:広川泰士(1950-)・広川智基(1979-)
男性用シューズに加えて、ハイヒールやサンダルまで用意されていたとは驚き。
本展にあわせて刊行された書籍『建築模型とその提案書展』にも、その衣装一式が見開きで掲載されている。本書の価格は2,800円だが、会場内では特別に2,000円で購入できる。

藤本壮介「Serpentine Gallery Pavilion 2013 自然と人工物のあいだ」

妹島和世「小平市立仲町公民館・仲町図書館」

大西麻貴+百田有希(o+h)は新旧5つの現場の模型を出展。
「目黒区の住宅」に「千ヶ滝の別荘」、「Good Job! センター」、「ひがしねのね」のコンペ案、「東松島 こどものみんなの家」は伊東豊雄氏との共同設計。
奈良県香芝市に建設が予定されている「Good Job! センター」は、昨年12月に設計者選定プロポーザルが開催され(事業主:社会福祉法人わたぼうしの会)、o+hの案が選出されている。

伊東豊雄「(仮称)新青森県総合運動公園陸上競技場」
樹木を模した構造体が、雪を蓄える役目も担うフラットルーフを支える。スタンドは約20,000人を収容可。

谷尻 誠+吉田 愛「くるりの森」
「うなぎパイ」などをつくっている春華堂グループが、今年浜松市にオープンさせたスイーツのテーマパーク「nicoe(ニコエ)」に設置されている大型遊具「くるりの森」。

名和晃平(SANDWICH)は模型ではなく、ヘッドマウントディスプレイ(HMD) による、バーチャル体験型作品を出展。
装着して体験中に目端をよぎったのだが、映像は犬島か直島でのプロジェクト関連と思われる。HMDはギャラリー・間で開催中の「伊東豊雄展」にも出ている話題の最新ツール。本展会場ではポスターまで配布しているとあって、会場一番の人気。4基用意されたHMDはフル稼働。

平田晃久「ツリーネスハウス」「ギャラリー エス」「コイル」
平田氏特有のキーワード「ひだ」と「からまりしろ」が散見される、複合ビル、ギャラリー、住宅案。

原田真宏+原田麻魚(MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)
デビュー作「XXXX」、今年竣工したばかりの「鉄のログハウス(Log H)」、「益子町地域振興拠点施設(仮)」、「立山の家」、「SHIFT」の模型。

石上純也「House & Restaurant」
あるレストランのオーナーの店舗兼住宅案。
模型に添えられた解説板の冒頭テキスト="岩のような建築を考えている"。

しかし、ここまで建築家のビジュアルに凝った展覧会がかつてあっただろうか。諸氏の笑顔やポージングがとても新鮮。

TDW入場は有料。会期は11月3日まで。詳細はTDW公式サイトを参照のこと。

TDW2014
www.tdwa.com/