「MARUNI COLLECTION × minä perhonen」@東日本橋

東日本橋3丁目にあるマルニ木工 東京ショールームにて、「MARUNI COLLECTION × minä perhonen」が10月25日から始まっている。
「HIROSHIMA(ヒロシマ)」をはじめとする同社の家具コレクション「MARUNI COLLECTION」に、皆川 明氏がデザイナーとして率いる minä perhonen(ミナ ペルホネン)のファブリック"dop"が新たに加わった。

下の画:「HIROSHIMAアームチェア」(撮影:川部米応/Yoneo Kawabe)
主材:ウォルナット材、ファブリック: dop -tambourine- インディゴ
minä perhonen による"dop"は、東京ビッグサイトで今年6月に開催された国際見本市「interiorlifestyle TOKYO」で発表されたファブリック。イタリア語の"doppio"=「ダブル」に由来するように、両面モールスキンの生地から成るダブルフェィス。日常的に使い込み、年月を経るうちに擦り切れてしまった箇所から、裏側の生地の色が現われる。

擦り切れた生地をネガティブに捉えず、経年による変化を個性として楽しむというコンセプトは、昨秋展開された「ふしとカケラ MARUNI COLLECTION HIROSHIMA with minä perhonen」から継続するもの。
参考:マルニ木工TOPICS「ふしとカケラ」モノづくりストーリーVol.1Vol.2(2013.9.25、10.9)

補足:「カケラ」とは、ファブリックを裁断した際に出る余り布のこと。「ふし」も木工の製造過程で出て来る枝の断面部分で、従来は除外されてきたが、それを「木が生きてきた証、個性」と捉え直し、強度的に問題のない材を用いて30脚を製造、伊勢丹新宿店で2011年春に販売したところ、1週間で完売した。
参考動画(再生時間:2分42秒):
「ふしとカケラ MARUNI COLLECTION HIROSHIMA with minä perhonen」on Vimeo
生地の組成はポリエステル65%+綿35%。日本製で、皆川氏のこれまでのファブリックの仕事の中で長年にわたる実績と信頼関係があるという。色の組み合わせは17種類、両面の色を合わせると34種類。さらに、刺繍が施されたバージョンも2種類用意されている。フリーハンドで描かれた円による「tambourine(タンバリン)」と、ミナ ペルホネンを代表する「choucho(ちょうちょ)」だ。組合せ・バリエーションは以下の通り(10月30日配布のプライスリストより)
上: minä perhonen "dop" -tambourine-
下: minä perhonen "dop" -choucho-
会期中の30日には、マルニ木工の山中社長と皆川 明氏によるトークイベントが開催された。その中で山中社長は、何十年にわたって使い込まれ、同社に持ち込まれる椅子の修理依頼の事例として、「破損した座面を綺麗に張り替えても、木の部分を再塗装することはまずない」と明らかにした。ひっかき傷や剥げてしまった部分に、顧客は新たな手を加えることを望まない。愛着をもって、そのまま使い続けるのだという。
山中社長の後に登壇した皆川氏は、そのエピソードを受けて次のように述べた。「60年、70年ともつ躯躰の木に、生地も寄り添いたい。"dop"は先ず刺繍糸の部分からほつれ始めるが、使う人によってほつれる部分が違ってくるはず。座る人のクセ=個性がそこに現われるだろう」。そして「家具は(註.流行り廃りが激しいファッションのデザインと違って)一時(いっとき)では終わらないプロダクト。家具それぞれの色にストーリーをのせたい」と展望を語った。

東京ショールームではエキシビジョンの期間中、"dop"による様々なバリエーションを展開している。
奥:「HIROSHIMA」のラウンジチェアとオットマン。スモーキーグリーンの表生地に、タンバリンの刺繍の張り座。
アームチェアでの仕様。イエローの表生地にタンバリンの刺繍。
検査の数字でいうと、約6万回擦れた後に、裏の色が現われてくる見込み。
下の画は、同じく深澤直人氏デザインによる「Roundish」での仕様。
下の画は、本展のために皆川氏が用意したポスター。
"Father is BLUE,Son is YELLOW"。親の代は青かったファブリックが、息子の代には黄色に=代々に受け継がれ、愛されて欲しいという願いが込められている。
2012年より展開する、Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)デザイン「Lightwood(ライトウッド)」シリーズにおける"dop"仕様の張り座。

会期は11月4日まで。10-18時営業(土日祝日は19時まで時間延長)

マルニ木工
www.maruni.com/jp/

“dop”に関する詳細:マルニ木工 TOPICS(2014.10.21)
www.maruni.com/jp/topics/post-5119.html




+飲食のメモ。
見学の前に、東日本橋3丁目12番地にある「bakuro COMMON(バクロコモン)」にて、遅めのランチ。
店頭で聞いたところ、以前はアパレル関係・靴屋が入っていた1,2Fをコンバージョンしたとのこと。

参考:[フードスタジアム]ヘッドライン記事(2014.2.14)
L字の階段を上がり、2Fフロアに通される。
15時近い入店だったので、店内に余裕あり。ランチセットから、100%ビーフの「馬喰バーガー」をオーダー。
待つ間、見上げたそこに、12-13本のデスクスタンドが360度にょっきにょきの天井照明。窓の外はいかにも昔ながらの問屋街=馬喰町という風情。
すぐに出てきたサラダのボウルが巨大でびっくりした(私はコレを「飼い葉桶サラダ」と賞賛する)。むっしゃむしゃと1/4くらい食べたところで「馬喰バーガー」が焼き上がり。
冷凍ではない生のフライドポテト、ワンドリンクが付いて、1,000円ポッキリ。素晴らしい。
パテは今朝加工したばかりの挽肉だそうで、新鮮=ややレアで焼いている(苦手な人は事前に申請しましょう)
味もCPも大満足。おいしゅうございました。ごちそうさまでした。

bakuro COMMON(バクロコモン)Facebook
www.facebook.com/bakurocommon