"日本のけしきを彫る人、田中圭介"@銀座 POLA MUSEUM ANNEX

銀座1丁目のポーラ ミュージアム アネックス(POLA MUSEUM ANNEX)にて、彫刻家の個展『見晴らす展 日本のけしきを彫る人 田中圭介』を見る。
前回こちらで行なわれた片山正通氏の「EXHIBITION OF WONDERWALL ARCHIVES 02 10 PROJECT MODELS」を見た際に、目にした次回展のフライヤーのインパクトが強烈で、足を運んだ。同氏の初の大型個展だそうだが、作品を見るのは今回が初めて。


「回天 Kaiten」2008年(楠、アクリル絵具、鉛、顔料)

田中圭介プロフィール
1976年千葉県生まれ。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、同大学美術学部修士課程彫刻科修了(註/現在は美術学部彫刻科非常勤講師)。
一木から掘り出した「材木」を彷彿させる柱型の樟の木に、ミニチュア的風景を彫り込み、アクリル絵の具で彩色した作品で知られる。自然の風景の一部を切り取ったような意匠だが、よくみれば植林された均一な山や森であったり、実は人工的な自然を小さな墓や観覧車、鳥居などと共に、ユーモラスに彫り込んでいる。・・・以上、主催元4月15日発行ニュースリリース( PDF)より一部を引用して転載。

H270×W260×D257というサイズの作品「回天」の部分拡大。幹の根元(?)に池があったり、祠のような建築物が挿入されている。
フロア中央に一本柱のようにそそりたつ作品「眠季 Minki」2009-2014(楠、アクリル絵画、ニス)。作品の中ほどに布団が敷かれている。
壁に掛かった大小2つの額縁のような作品
左(大):「展景 Tenkei」、右(小):「鳴景 Meikei」
右側の壁の作品:「覚景 Kakukei」

フロア中央寄りに置かれた作品
フロア中央:「山頂のアトリエ」(2014)、右側:「見晴らしのいい場所」(2007)
「山頂のアトリエ」(2014)

手前:「展景 Tenkei」部分、奥:「鳴景 Meikei」

水平方向に壁に掛けられた作品、「覚景 Kakukei」の左端から。真ん中あたりに”森”が茂っている。

手前:「見晴らしのいい場所」(2007)
左奥:「到る処」(2008)、右奥:「流景」
「到る処」の見上げ(部分)。マテリアルは楠とアクリル絵画。緑の茂みを縫うようにして階段が続いている。

作品「到る処」が置かれた会場最深部から、会場全体の見返り。

「落景 Rakukei」(2010-2013)

手前:「小さな空」(2011 楠、アクリル絵具、墨汁、ワックス)の部分


「楽景 Gakukei」(2013 楠、アクリル絵画)
「楽景 Gakukei」中央部分の拡大。

 森を歩く時、人は無意識に深く呼吸する。全身が目や耳になったように、いつもより万物が鮮やかに感じられる。
そんな研ぎ澄まされる感覚が蘇る心地よさを、銀座に現れる「森」で体験できたなら。
・・・以上、展覧会フライヤー記載のテキストより冒頭部分を引用転載。

手前(平台の作品):「浮景」

床置きの作品
左側:「吐景 Tokei」(2012 楠、アクリル絵画、ワックス)
右側:「淵景 Enkei」(楠、アクリル絵画、ニス)

壁に掛かった作品
右側:「傾景 Keikei(titled scebery )」(2012 楠、アクリル絵画、オイル、ワックス)
左側:「起景 Kikei」

「小さな柱 small pillar」(2009 楠、アクリル絵画、色鉛筆)

右端の作品:「傾柱 Keichu」(2012 楠、アクリル絵画、ニス)

いろんな角度から、何度も、いつまでも眺めていたい作品群だった。
そして、見ながらずっと、盆栽のアレに似ている、何だっけ・・・? あ、「舎利」だ、と後で思い出す。

盆栽家の山田香織氏とのクロストークを聴きに行けず、残念。

 



+飲食メモ。
ポーラ ミュージアム アネックスの2Fには、日本茶専門カフェ「HIGASHIYA GINZA」があり、日本茶にあわせたアフタヌーンティーや菓子、夏場はかき氷も味わえる(画像は以前いただいた、梅酒のきいたかき氷)
 

立ち寄ったならば是非、奥の”はばかり”も利用したい。最初に扉を開けた時はその場で固まった記憶が。
 

HIGASHIYAクリエイティブディレクターを務める緒方慎一郎氏が率いる SIMPLICITY が、同店の経営とデザイン両方を手掛けている。